研究課題/領域番号 |
17K15338
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
高梨子 文恵 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (60547214)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ベトナム / ローカルフードシステム |
研究実績の概要 |
本研究は、ベトナム国内の農村部に位置するフードサービス業に着目し、その企業展開と原料調達行動が農村部へ与える影響をトータルに明らかにすることを目的とする。ベトナムの工業団地では、工場での集団給食が急速に拡大しているが、給食の消費者である工員(兼業農家)は、食の安全性について強い関心を抱いており、原料調達に一定の影響を与えている。農村部特有の消費者意識と、ケータリング産業内における競争状況、市場の拡大が、ベンダーを中心とした企業的な安全野菜生産への投資など、地域農業を再編する動きを見せている。これまでの加工原料産地で行われてきたグローバルノース主導の品質管理、サプライチェーンの構築とは異なる、農村内で完結するフードシステムが構築されつつある。 本年度は、ベトナムの卸売市場制度に関して文献、統計調査を行った。都市化・工業化に伴い、卸売商人を介した流通は継続しているが、卸売市場の整備は急務であると政策的に認識されており、大都市を中心に市場が整備される方向にある。それにより、都市に隣接する工業地域のフードサービス業の原料調達は影響を受ける可能性があることが明らかになった。企業統計を入手するのが困難であったため、食品企業の展開状況に関する整理が遅れている。今年度、現地調査と合わせて行いたい。 また、ベトナムと比較して取り組みが先進的である日本とアメリカのフードサービス業にも着目し、ローカルフードシステムの成り立ちと現状等について現地調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地の統計資料の入手が困難であったため、分析が遅れている。今年度の現地調査の際、統計を入手して分析を進めたい。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、当初の計画通りベトナム農村部4カ所で、企業調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
資料の購入ができなかったため、物品購入費を支出できなかった。また、学会発表等を予定していたが、準備が間に合わなかったため、資料購入と併せて来年度支出する。
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