研究課題/領域番号 |
17K15338
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
高梨子 文恵 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (60547214)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 工業化 / ベトナム / 食生活 / 農村 / 外食 / 食材調達 |
研究実績の概要 |
昨年度の南部ティエンザン省での調査結果を受けて、ホーチミン市近郊のケータリング企業他へ聞き取り調査を行った。まず、ホーチミン市保健部にて市内全体の概況、衛生管理に対する施策等に関する聞き取り調査を行い、その後市内10カ所のケータリング企業、それらの企業に原料として野菜を販売している生産者(企業)を訪問し、聞き取り調査を実施した。その結果、主に以下の4点が明らかになった。①企業向けのケータリングには外資・地元企業の両方が参入しており、規模が一様ではない。②南部では工業団地が多く、企業密集度も高いことから、ケータリング企業も比較的広域展開しているが、遠隔地への進出時は現地ですでに展開している地元企業を取り込んで合併したり、本社から分裂するなどの企業行動が見られた。③一部の大規模化したケータリング企業は、ホーチミン市内の市場内の卸と契約することで原料の一元集荷、近隣省の工場への配送等を実現している。④学校給食用と比較して企業向けは1食当たりの契約単価が低く、それが原料価格に大きく影響している。第三者認証等を導入しているケータリングは、取引先企業(主に欧州の企業)からの要請で対応している。一方で、GAP野菜等は導入したくても生産量が少ないため手に入らないという企業もあった。上記の結果について、2019年9月、食農資源経済学会にて口頭報告を行い、関連する研究を行っている研究者から有益なコメントを得ることができた。
また、2019年9月、工業団地で働く労働者(以下、労働者)に対して、食生活の変化と企業内給食への評価等に関するアンケートと聞き取り調査を行い、現在結果を分析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査は概ね順調に進んだが、状況の変化が早く、データのアップデートの必要性が出てきている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウィルスの蔓延によって現地調査が難しい可能性があるため、スカイプ等を通じでできる限り補足調査を行う。現在あるデータをすべて取りまとめ、学会で公表、論文として発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査期間が短期間で済んだため。今年度の追加調査と成果公表のための学会参加費に使用予定。
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