研究課題/領域番号 |
17K15338
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
高梨子 文恵 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (60547214)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ベトナム / 食の外部化 / 工業化 |
研究実績の概要 |
これまでにHai Duong省、Ha Noi市、HCM市、Can Tho省で行った、人民委員会保健部及び給食企業(15社)への聞き取り調査を基に、研究成果をまとめて学会報告を行い、論文として投稿した(現在審査中)。2019年度までは背景の異なる北部と南部で別々に分析を行っていたが、それぞれの地域状況尾をまとめて比較研究を行った。 これにより、工業団地の密集度が低く、集団給食の提供数が相対的に少ない北部では、1企業当たりの事業規模が小さく、食材の調達も個別対応になっている一方で、南部ではセントラルキッチンの設置が行われている企業もあり、調達も本部一括仕入れとなっている企業が出てきていることが明らかになった。また、南部では生産者からの直接購入より特定の卸売業者との取引が多くなっており、取引が集中する傾向にある。こうしたことから、給食企業の成長が農産物の取引量の集中と、地理的な広域性を促進させている可能性があることが示唆された。 しかし、2020年度に当初予定していた、給食企業へ青果物を提供している生産者への聞き取り等、現地調査は、コロナウィルス蔓延の影響で実施することができず、新たなデータを得ることができなかった。また、現地で得られた統計データに不備があったため、全体像を把握するに至っていない。2021年度は、現地調査を実施し、マクロ的な実態把握に努めるのと、青果物産地への影響について、生産者側への聞き取りを行うことで明らかにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウィルス蔓延の影響により、現地調査ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査が実現できるよう準備しているが、難しい場合は現地カウンターパートへの調査委託等、データが得られる方法を模索し、地域農業への影響を考察した上で、論文としてまとめたい。 また、2020年度に参加を予定していた学会の開催が延期されているため、開催される場合には参加できるよう準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルス蔓延により、現地調査を行うことができなかったため。また、国際学会がオンライン開催になったことにより旅費支出がなくなったため。 今年度は、現地調査が可能であれば渡越、無理な場合は現地への調査委託等を考えたい。
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