研究課題/領域番号 |
17K15338
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
高梨子 文恵 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (60547214)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ベトナム / フードシステム |
研究実績の概要 |
Hai Duong省、Ha Noi市、HCM市、Can Tho省で行った、人民委員会保健部及び給食企業(15社)への聞き取り調査を論文にまとめ、結果を公表した。 2021年度は、現地調査が難しいことを踏まえ、ローカルフードシステムに一定の影響を及ぼすと考えられる近代的小売業(主にスーパーマーケット)に関して資料を収集し、動向をまとめた。その結果、主に以下の6点が明らかになった。①ベトナムでは政策的に流通近代化を強力に推し進めており、新たに参入するスーパーマーケットにとっては追い風となっていること、②店舗数、売り上げは急激に増加しているが、近代的小売が食品市場全体に占める割合は未だに低く、大多数の国民は伝統市場で食料を調達しており、政策の展開には近代流通だけでなく伝統流通の支援も同時に必要であること、③食品小売市場への外資系(多国籍)の参入も一定数見られるが、国内資本のシェアが高いこと、④特に近年他業種から食品小売業への参入が目立っており、多くが売り場面積の多い大規模スーパーと並行で都市部のミニスーパーの出店にも力を入れており、それが店舗数を大幅に押し上げる動きにつながっていること、⑤近代的小売の青果物仕入では、卸売市場はほとんど利用されておらず、調達チャネルとしては契約取引か直営生産が主流であること、⑥こうしたチャネルへ地元生産者が参入するには第三者認証取得が必要不可欠であり、小規模生産者は排除される傾向にあること。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地調査が難しく、また食品流通業界全体がコロナ禍の影響を大きく受けており、研究計画を見直す必要が生じているため。
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今後の研究の推進方策 |
渡越しなくても入手可能な食品小売業、外食産業の動向に関する調査レポートや新聞等を整理し、ネットアンケート等を活用してデータを収集する。また、現地調査の実施を予定しているが、外食産業を対象とした調査が難しいことが予想されることからから、食品小売業等へ対象を変更して研究を継続する予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により現地調査が実施できず、また、参加を予定していた国際学会の開催が延期されているため。
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