研究課題/領域番号 |
17K15339
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
黒崎 龍悟 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (90512236)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | タンザニア / 農民グループ / イノベーション / ネットワーク / 普及 / 適正技術 |
研究実績の概要 |
2018年度の進捗は以下のとおりである。 現地調査:8月に4週間ほど実施し、前年度に引き続き、現地で取得できる基礎資料を入手するとともに関係者らへのインタビューを実施した。本年度のおもなねらいは、県レベル以下での事例収集にあったが、MVIWATAが県レベル以上のアドボカシーの活動に重きを置いていて、新たなイノベーションの発掘および普及には積極的ではないという実態が明らかになりつつある。そもそも農村レベルではMVIWATAの存在はほぼ認知されておらず、その理由として、目的や役割が重複する農民グループ/ネットワーク支援が県レベル以下で複数存在していることが考えられた。そこで、農民グループ支援におけるMVIWATAの位置を明確にするため、タンザニアの農民グループ支援に関する情報を整理することに注力した。 国内研究会:タンザニア研究者や日本国内で地域活性化や適正技術を専門とする研究者らと研究会(2019年3月)を企画し、そこで現地調査の進捗を報告した。タンザニアの他地域や日本国内の事例と比較しながら参加者らと討論を重ねた。 成果発表:論文作成に関しては、上記のようにMVIWATAが置かれている状況を農民グループ支援の文脈において整理しまとめた。また、タンザニアの事例ではないが、戦後日本の改良かまど普及の事例に着目して分析し、当時の普及現場の取り組みから、現代の農村開発が学べることを考察した。口頭発表等については、農村に技術が普及・定着するうえでの問題をまとめ、アフリカ学会および国際開発学会で企画フォーラムの一報告として発表した。社会への発信については、大学主催の市民向け公開講座においては、タンザニア農村で見られる草の根のイノベーション(小型水力発電)について報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね予定どおり、国内研究会への参加・発表、現地調査の実施、成果発表を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
資料収集・データ分析を進め、関連学会で報告するとともに、論文の執筆を進めていく。これまでの調査で明らかになったように、MVIWATAが、本研究のねらいである農民発のイノベーション普及を担っていない可能性が高くなったので、まずその要因について調査する。それと並行して、他の組織やネットワークがそうした役割を担っている可能性を考え、調査対象と視点を広げて現地調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究会や学会の開催地の関係で旅費が少な目に抑えられたことによる。次年度では研究会・学会への参加や現地調査,追加的に必要となる備品・消耗品購入などに充てることとする。
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