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2020 年度 実施状況報告書

インドネシアにおける天然林保護と安定的な木材供給の実現に向けた熱帯人工林の検証

研究課題

研究課題/領域番号 17K15340
研究機関九州大学

研究代表者

藤原 敬大  九州大学, 農学研究院, 准教授 (20637839)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード生産林 / 人工林 / 産業造林 / コミュニティフォレストリー / アグロフォレストリー / 土地改革 / 社会林業 / インドネシア
研究実績の概要

本研究は、インドネシアにおける規模と保有形態が異なる人工林の比較分析を行い、持続的な熱帯人工林の条件について検証することを目的としており、①コミュニティ人工林(HTR)、②産業造林(HTI)、③私有林(HR)の3つの事例研究で構成される。

2020年度は新型コロナウィルス感染症の世界的大流行の影響で調査対象国であるインドネシアへ渡航できず、当初計画していたフィールドワークを実施することが一切できなかった。そのため、これまでにフィールドワークで収集したデータや文献のレビューを用いて、②産業造林(HTI)の事例に関する本の原稿の執筆を行ない、編者の1人として『誰のための熱帯林保全か―現場から考えるこれからの「熱帯林ガバナンス」』を出版した。

同書の第2章「持続可能な森林経営をめぐるポリティクス:複雑化する現代社会で『人と人の信頼』は再構築できるか」では、私たちの身近で販売されているインドネシアの紙製品をめぐる企業と環境NGOの対立を事例に、さまざまな情報がもたらされる中で私たちは「いかに正しく情報を読み、判断し、行動し、輿論を形成できるのか」について論じた。SDGs12の「つくる責任・つかう責任」を達成するためには、消費者自らが意識を持ち、行動することが前提となっており、近年「エシカル消費(倫理的消費)」の普及啓発も進んでいる。それゆえ、本研究の成果の1つである本書はSDGsの取り組みや議論を活発化させ、持続的な熱帯人工林の推進にも寄与することが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究の主な研究手法はフィールドワークであるが、新型コロナウィルス感染症の世界的大流行の影響で調査対象国であるインドネシアへ渡航できず、計画していたフィールドワークを実施することができなかった。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルス感染症の世界的大流行が終息に向かい、調査対象国であるインドネシアへ渡航ができるようになったら、フィールドワークを実施してデータ収集を行う。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響で調査対象国であるインドネシアへ渡航できず、計画していたフィールドワークを実施することが一切できなかった。次年度の使用計画については、今年度に実施できなかったフィールドワークを実施するための旅費として使用する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] ガジャマダ大学森林学部(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      ガジャマダ大学森林学部
  • [雑誌論文] Conflict of Legitimacy Over Tropical Forest Lands: Lessons for Collaboration from the Case of Industrial Tree Plantation in Indonesia2021

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara Takahiro、Onda Nariaki
    • 雑誌名

      Decision Science for Future Earth: Theory and Practice

      巻: - ページ: 119~131

    • DOI

      10.1007/978-981-15-8632-3_5

    • オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Another Law in Indonesia: Customary Land Tenure System Coexisting with State Order in Mutis Forest2020

    • 著者名/発表者名
      Budiman I, Fujiwara T, Sato N, Pamungkas D
    • 雑誌名

      Jurnal Manajemen Hutan Tropika (Journal of Tropical Forest Management)

      巻: 26 ページ: 244~253

    • DOI

      10.7226/jtfm.26.3.244

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Lessons for stakeholders’ collaborations in transdisciplinary research: Case of Indonesian industrial tree plantation2021

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Fujiwara, Nariaki Onda
    • 学会等名
      第132回日本森林学会
  • [図書] 誰のための熱帯林保全か2021

    • 著者名/発表者名
      笹岡 正俊、藤原 敬大
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      新泉社
    • ISBN
      4787721038

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公開日: 2021-12-27  

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