研究課題/領域番号 |
17K15344
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
兵頭 正浩 鳥取大学, 農学部, 准教授 (60611803)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 内面載荷法 / 埋設管 / 耐力評価 / 荷重ー変形量の傾き / 機能診断 / とう性管 / 不とう性管 / 非破壊検査 |
研究実績の概要 |
「農業水利施設の機能保全の手引き(パイプライン)」(平成21年3月)では、機能診断調査・評価の結果を踏まえて施設の性能低下要因、性能低下の状態・程度を把握し、可能な範囲で性能低下予測を実施した上で機能保全計画を作成することを基本としている。しかしながら、設計のために必須な情報としての現有耐力などの性能低下の状態・程度が不明確なまま進められているのが現状である。この課題の解決に向けて、申請者は非破壊試験で直接的に管路の耐力を評価する内面載荷法を検討している。 本研究課題の初年度で対象とする管種は、評価対象として需要の大きいRC管(不とう性管)である。第一ステップとして、まず管路躯体のみを対象とした。具体的には、実環境を想定したRC管のひび割れ管を作製し、断面内剛性の低下度合いや各製造メーカーによる断面内剛性の低下特性を明らかにした。また、埋設環境では敷設管は接合されているため、軸方向における断面内剛性の影響を明らかにした。結果として、ひび割れが発生したRC管の断面内剛性は、健全管と比較して低下することを確認でき、さらにはその低下特性は各製造メーカーによって異なる特性を示すことがわかった。また、評価診断の対象となる多くのRC管は、敷設後長期間が経過しているものであるため、敷設時における規格は現在の規格と異なることがあり、実現場で本手法を適用するために製造年度を踏まえた評価が必要であることがわかった。 また一方で、第二ステップとして計画している埋設状況での実験には、装定装置の自動化(機械化)が必要であることから、最終年度の計画を前倒しし、開発の一部に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基本的には計画通りに進捗している。RC管製造業者の物性値を入手および測定し各社の断面内剛性の低下特性を明らかにした。ただし、とう性管に関しては2年目の課題とした。その理由は、埋設実験を実施するためには、これまでに使用していた手動装置では安全管理上危険な作業が伴うことから、装置を自動化(機械化)する必要がある。そこで、とう性管の評価を2年目の課題として、埋設実験(実現場)を想定した装置の自動化(機械化)を初年度に着手した。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には当初の計画通りに年度の計画は概ね達成されている。埋設状況で試験を実施するためには装置の自動化が必須となっており、装置の作製を着手した段階である。試作装置の改良を進めることで、最終年度の計画を前倒しして埋設実験を実施する予定である。現段階では、不とう性管の評価が最も難しいと考えており、申請書で記載したとう性管の評価は不とう性管の一連の評価が完了した後に実施することが、より効果的に研究成果を得ることができる。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に購入を予定していた消耗品の在庫切れが生じていたため、次年度4月に使用する予定である。
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