生きたままの植物体内における物質動態を可視化できるリアルタイムRIイメージングシステム(RRIS)の撮像原理は、植物が吸収したRIから放出される放射線をシンチレータにより光に変換し、CCDカメラでその光を検出するものである。視野範囲はシンチレータの大きさに依存する。これまで視野範囲の拡大化を目的とした新規シンチレータの開発を行い、加工が容易なプラスチック製のシンチレータを用いることで80㎝ x 60cmを可能とすることに成功した。一方で、プラスチック製シンチレータは無色透明であり、植物を設置すると、植物から放出される自家蛍光もRI由来のシンチレーション光と同時に検出する、という課題があった。そこで、RIは透過しつつ、自家蛍光を遮断する遮光材の検討を行い、最適なアルミマイラーを選出した。ただし、80㎝x 60cmのシンチレータにマイラーを設置するのが非常に難しい問題もあった。そこで、シンチレーション光と自家蛍光の波長の違いに着目し、光学フィルターを用いて自家蛍光のみを遮光する手法を確立した。シンチレータにマイラーを貼るよりも、コストおよび設置時間を大幅に解消することが可能となった。また本手法は、本装置のみならず、シンチレーション光を利用したRIイメージングの全てにおいて適用可能である。
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