研究実績の概要 |
本年度は、アルギニンおよびリジンの増給またはアルギニンの不足による栄養生理学的制御がブタ骨格筋のCationic amino acid transporter-2(Cat-2)発現量、一酸化窒素(NO)量、および一酸化窒素合成酵素(NOS:nitric oxide synthase)発現量、および筋線維型に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、以下の飼養試験を実施した。28日齢で離乳した35日齢のブタ(ランドレース×大ヨークシャー×デュロック交雑種、去勢オス、体重約11kg)を供試し、自由摂取、自由飲水で2週間飼養した(終了時体重約20kg)。処理区は、対照飼料(Arg 0.63%, Lys 1.40%)、アルギニン不足飼料(Arg 0.44%, Lys 1.40%)、リジン不足飼料(Arg 0.63%, Lys 0.80%)、高アルギニン飼料(Arg 1.10%, Lys 1.40%)を給与する4区を設けた。いずれの飼料も粗タンパク質(19.2%)やエネルギー(DE:3.5Mcal/kg)につい ては、日本飼養標準(2013)およびNRC(2012)が定めた要求量を満たすように設計した。 本年度は同腹子から4頭を供試した実験を2反復、実施し、昨年度と合わせて6反復の動物実験を終えた。飼養試験終了時に、ホルモン濃度の測定用の血液を採取するとともにmRNA発現量測定用に胸最長筋、 菱形筋および大腿二頭筋の3部位の骨格筋を採取し、分析に供した。 血中のインスリン、IGF-Iおよびコルチゾール濃度を測定し、骨格筋3部位のNO量を測定するとともに、骨格筋3部位のCat-2、NOS1、2および3のmRNA発現量を測定した。また、培養細胞実験について条件検討を実施した。
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