研究実績の概要 |
2018年度までに実施した豚飼養実験(対照飼料、アルギニン不足飼料、リジン不足飼料あるいは高アルギニン飼料を給与する4区を設けた)では、増体重、飼料効率および飼料摂取量に有意な差はなかったが、血漿中のアルギニン濃度は高アルギニン区が他の3区より高く、リジン濃度は低リジン区が他の3区より高かった。血中インスリン濃度およびコルチゾール濃度に給与飼料の影響はなかったが、血中のIGF-I濃度は、低アルギニン区および高アルギニン区では対照区と差がなく、低リジン区のみ対照区より低くなった。NO量は、骨格筋3部位、肝臓および血液のいずれも有意な差はなかった。胸最長筋のCat-2mRNA発現量は、低アルギニン区および高アルギニン区は対照区と有意な差がなかったが、低リジン区は対照区より低かった。 また、培養骨格筋細胞(C2C12)による実験の結果、培地中のアルギニンあるいは/およびリジンを欠乏させると、Cat-1のmRNA発現量は増加するが、Cat-2のmRNA発現量は変化しない。培地中のアルギニンが欠乏から常法(DMEM)の4倍濃度(×0, ×1/100, ×1, ×2, ×4)の培地で24時間培養すると、CAT-2 mRNAの発現量は変化しなかったが、NOS1 mRNA発現量は×0に対して×1, ×2, ×4で増加し、MYH1およびMYH7では発現量に変化がなかったが、MYH2は×1/100に対して×1, ×2で低く、MYH4は×0に対して×1, ×2, ×4で増加した。計画していたNO合成阻害物質(L-NAME)を用いた実験および、PGC-1α発現を促進および抑制する実験を実施した。
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