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2018 年度 実績報告書

畜産物の利用拡大を目指した天然型フィタン酸の機能性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15364
研究機関宮崎大学

研究代表者

仲西 友紀  宮崎大学, 農学部, 准教授 (20717889)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードフィタン酸 / 畜産物 / 免疫調節作用
研究実績の概要

牛乳や牛肉などの畜産物はフィタン酸の天然の摂取源である。フィタン酸は免疫調節作用などの生理活性を有し、新規機能性脂質として近年注目を集めている。一方、これまでの研究では非天然型も含む異性体混合物が試験に使用されており、上記の生理活性が、畜産物に特徴的な天然型フィタン酸(3SR, 7R, 11R-体)によって発揮されているのかは定かでなかった。本研究は畜産物摂取によるヒトの健康増進を目指した基礎研究であり、天然型フィタン酸の免疫調節作用の詳細を明らかにするために実施する。
H29年度までの取り組みにより、マウス脾臓細胞やT細胞からの炎症性サイトカイン(IFN-γ、IL-17A)の産生が天然型フィタン酸によって抑制されることが明らかになっていた。そこでH30年度は、IFN-γやIL-17A以外のサイトカインの産生に対する天然型フィタン酸の影響を調べた。また、T細胞以外の細胞種としてB細胞に着目し、B細胞からの抗体産生に与える天然型フィタン酸の影響も調べた。なお、当初計画では、培養細胞レベルでの検討以外に動物レベルでの検討も予定していたが、諸般の事情により、本研究では培養細胞レベルでの機能性評価に注力した。
その結果、天然型フィタン酸が、IFN-γやIL-17Aと同様にIL-2の産生も抑制する一方で、IL-4の産生には影響を及ぼさないことが明らかとなった。加えて、天然型フィタン酸はB細胞からの抗体産生には影響を与えないことも明らかになった。以上の結果から、天然型フィタン酸が免疫疾患の発症に関与するIFN-γ、IL-2、IL-17Aのようなサイトカインの産生を抑制すること、ならびに、天然型フィタン酸は細胞種によって異なる効果をもたらすことが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Naturally occurring 3RS, 7R, 11R-phytanic acid suppresses in vitro T-cell production of interferon-gamma2018

    • 著者名/発表者名
      Nakanishi Tomonori、Motoba Ibuki、Anraku Mayuko、Suzuki Ryoji、Yamaguchi Yuto、Erickson Laurie、Eto Nozomu、Sugamoto Kazuhiro、Matsushita Yohichi、Kawahara Satoshi
    • 雑誌名

      Lipids in Health and Disease

      巻: 17 ページ: 147

    • DOI

      10.1186/s12944-018-0793-6

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2019-12-27  

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