消耗性症候群(WMS)は飼育環境下のコモンマーモセットの重要な消化器疾患であり、その衰弱の主因である。WMSは進行性の体重減少、筋委縮、脱毛症、下痢などを主徴とするが、その病態については不明な点が多い。そこでWMSの臨床的および病理学的な検索をおこなった。WMSの新規管理法としてパンクレリパーゼとコバラミンの複合プロトコルの有効性を明らかにした。 加えて、コモンマーモセットの新規消化器疾患として"コモンマーモセットの十二指腸拡張症"を提唱し、その病態を明らかにした。また、本疾患の消化管造影を必要としない簡易なスクリーニング検査法を確立した。
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