観察方法を確立するために、外筒法と内芯法を検討した結果、ステンレスの内芯を用い人工授精の要領で実施する方法を確立した。子宮内異常のモデルとして分娩後の子宮を観察したところ、液体の貯留がある場合は従来の検査法と所見が一致した。一方で、子宮内膜の穿孔、糜爛、ただれ、白色の粒状隆起、変色などは、内視鏡でのみ発見できる所見であった。不受胎のウシにおいても部分的に変色している症例や、粘膜面が粗造な症例がみられたことから、超音波検査では診断できない子宮内膜の異常ををともなう不受胎の個体が一定数いることが示唆され、その診断に内視鏡が有用であることが示された。
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