牛白血病ウイルス(BLV)の遺伝的多様性がウイルス性状に影響をもたらすか調べるため、最初にウイルスゲノム全長の解析を行った。その結果、国内のBLV野生株が3つのグループに分類され、それらグループは異なるウイルス産生能力を示した。さらに、上記で高いウイルス産生能力を有するグループの株が、農場での感染拡大に寄与することが明らかになった。また、株により病原性が異なっており、ウイルスゲノムの欠損変異を有するウイルス株や低いウイルス産生量でも病原性を保持していることが明らかになった。これらのことから、病原性と伝播性は異なる遺伝的素因により支配されていることが示唆された。
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