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2017 年度 実施状況報告書

哺乳動物の血液・精液に存在する糖質分解酵素の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15389
研究機関北海道大学

研究代表者

田上 貴祥  北海道大学, 農学研究院, 助教 (70709849)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード糖質加水分解酵素 / ブタ
研究実績の概要

本研究課題は、哺乳動物の血液および精液に含まれる糖質加水分解酵素の酵素学的機能を明らかにし、それらの生理機能を考察することを目的としている。初年度となる平成29年度は、ブタの血液・精液に含まれる糖質加水分解酵素(AGL)に関する実験を実施した。
血液のAGLに関しては当初の研究計画を前倒し、分子構造を解明することを目的として酵素の精製と結晶化・X線回折測定を実施した。結晶化スクリーニングによりタンパク質結晶を得たが、良好なX線回折像は得られなかった。また、取得済みの遺伝子を用いて、メタノール資化性酵母による異種宿主発現系の構築に着手し、活性を有する組換え酵素の生産を達成した。
ブタの血液AGLの生理機能は現在までに明らかとなっていないが、その活性(酵素量)が極めて高いことは知られていた。ただし血中のAGL量は、肥育後の育成豚についてのみ調査されており、肥育されていない母豚や肥育前の子ブタの血中AGL量に関する知見はなかった。そこで、母豚(人工受精済・妊娠不明)および子ブタ(3ヶ月齢)の血液AGL量を測定した結果、これらのブタの血中AGL活性は育成豚と同等量であることが明らかとなった。以上の結果から、ブタの血中に含まれる高AGL量は肥育による人為的な影響ではなく、ブタにおける生体恒常性の維持機構の一貫であることが示唆された。
精液のAGLに関しては、市販のクロマトグラフィー担体を用いて精漿からの精製を試みたが、含有量が低いために精製することができなかった。部分精製酵素溶液中に含まれるタンパク質のプロテオーム解析を実施したが、これまでに報告されているAGLと類似するタンパク質は同定されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度に「創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)」に採択された為、計画を前倒して血液AGLの分子構造解析実験に着手し、概ね良好な結果が得られている。その他の研究計画についても実験を遂行しており、おおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

血液AGLについては、分子構造解析実験と組換え酵素の機能解析が順調に進展しているので、ブタ以外の動物種に関しても研究を開始する計画である。
精液AGLについては、阻害剤を用いたアフィニティークロマトグラフィー担体を調製し、精製を試みる計画である。

次年度使用額が生じた理由

実験結果が順調に得られたことにより、物品費(消耗品)の支出が計画よりも削減できた。
次年度に繰り越した分は、精漿タンパク質同定および遺伝子クローニングのためのキット購入と委託分析費用に支出する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Structure-function relationships of the enzymes related to starch metabolism2018

    • 著者名/発表者名
      Takayoshi Tagami
    • 学会等名
      13th International Symposium of the Protein Society of Thailand
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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