AGLはデンプンやグリコーゲンを分解してグルコースを生成する酵素であるが,これらの糖が存在しない血液や精液にもAGLが存在することが報告されていた. 本研究では,ブタでは性別・品種・年齢に関わらず血中に大量のAGLが含まれることを明らかにし,本酵素は生体恒常性維持に関わるタンパク質であることが示唆された.本酵素がデンプン分解物に対してのみ分解活性を示したことから,本酵素が血中でAGL活性以外の生理機能を果たしている可能性が示唆された. また,ブタの精漿には酸性pHで高い活性を示すAGLが含まれることを明らかにし,中性pHで高い活性を示す血清AGLとは異なる酵素であることを明らかにした.
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