研究課題
若手研究(B)
Nodal遺伝子は初期発生において非常に重要な役割を果たしている。我々はNodal遺伝子の発現制御機構について、エピジェネティクスと栄養状態の影響に注目して研究を行った。Nodal遺伝子の制御領域EREにグルコース応答性ヒストン修飾H2AS40-Gcが存在することを見出した。一方、ES細胞においてNodal遺伝子は培地中のグルコース濃度の影響を受けなかった。また、EREの転写誘導に必要なモチーフやエピジェネティックな抑制の標的領域を明らかにした。
エピジェネティクス
Nodal遺伝子の発現異常は先天性疾患やガンの悪性化の原因となるため、制御機構の解明は生物学的にも医学的にも重要な課題である。本研究成果はエピジェネティクスの観点からNodal遺伝子の発現制御と栄養・代謝との関係を示唆しており、栄養環境と分化・発生やガンの悪性化の関係を解明する手がかりになりうる。また、ゲノム編集やエピゲノム編集を駆使することにより新たな知見が得られ、制御機構の全容解明に近づくことができた。