植物の体の一部のみが熱ストレスにさらされると、植物の体全体にその情報が伝達される(これを長距離シグナルという)。その後、植物の体全体で熱ストレスに対応するメカニズムが活性化される。さらに、植物は過去の熱ストレスを記憶し、後の強い熱ストレスに備える能力も持つ。本研究ではこれらの植物の能力に注目し、植物の熱ストレス耐性を高める方法の確立を試みた。その結果、2枚の葉を熱ストレスにさらした後、通常の条件下で3時間回復させると、植物は強い熱ストレスに対する耐性を獲得できることがわかった。また、強い熱ストレスに対する耐性は、植物の体全体への5分間の熱処理とそれに続く3時間の回復によっても強化された。
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