研究課題/領域番号 |
17K15405
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
片桐 由希子 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (50508190)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 公園緑地 / 指定管理 / 少子高齢化 / 評価手法 / 情報共有 |
研究実績の概要 |
少子高齢化や人口減少に伴う社会的状況やライフスタイルの変化は、都市における公園緑地の機能と管理運営の変化を促すものとなっている。指定管理者制度を用いた民間事業者による管理運営では、行政職員では行き届かない地域の実情に沿った対応が可能となることなどが利点として挙げられるが、創設から十数年が経過した現在、指定者による管理が、状況に即して更新されながら安定的に存続するものとなるための仕組みが求められる。そこで本研究では、行政と管理者、市民との間で公園緑地のあり方を共有するコミュニケーションツールとして、管理者による安定的な運営管理の存続に資することを目的とし、公園緑地の運営管理に対する評価指標と地域での社会的な評価のしくみを提示する。 2017年度は、主な対象地域として設定した東京都多摩地域(多摩市、稲城市、八王子市、西東京市)の現状について調査するとともに、全国の公園緑地管理の先進事例となる自治体の担当者に対するヒアリングを行った。前者では、管理の内容や指定管理者の公募に感する書類など、公園管理に関するデータについての収集も併せて行なった。後者は、岡山市、京都市、広島市、寒河江市、鳥取市であり、全国緑化フェアに関連して作られた公園や諸制度について管理運営の仕組みについて、事業者や住民などステイクホルダとの関わりも含めて整理した。また、利用者であり、評価者となる郊外住宅地住人に関し、特に少子高齢化の進む横浜市栄区(庄戸・桂台地区)のライフスタイルや地域マネジメントの実際の現況について、ヒアリング調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は初年度関係研究者に対するヒアリングや勉強会の立ち上げなどを予定したいたが、初年度は現状把握に終始してしまったためにこちらを進めることができていない。また、評価フレームの検討についても進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、29年度に収集したデータに基づく分析を進めながら、当初予定していた研究計画を遂行するよう研究を推進する。プレ調査的に実施したヒアリング調査に基づいて、評価フレームの立ち上げを行い、その内容について行政担当者や実務者のヒアリングを実施し、その精査を進める。また、公園管理の現状については29年度に集めたデータに基づく定量的な分析を行った上で、やデータ更新の手段も含めて、その評価指標としての有用性を把握する。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査研究について、複数人での現地調査・視察を予定していたところ、研究代表者1人での対応となったこと、主に行政担当者を対象としたことから、謝金が生じなかったこと、当初予定していた海外調査を実施しなかったことから使用額に余剰が生じた。30年度は、行政関係者以外へのヒアリングや会合を予定していること、また、調査データの整理などについての謝金など、29年度に実施できなかった事項を実施するにあたりこれらを使用する計画である。
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