薬物耐性イネいもち病菌の出現が、日本各地の稲作に大きな損害を与えている。本研究では、イネいもち病菌の新規抗菌法を目指し、菌体外セルロース代謝系において重要な働きをする酸化還元タンパク質の解析を行い、2種類のセロビオース脱水素酵素(MoCDH)の生化学的性質に関する基礎的知見が得られた。また、イネいもち病菌のゲノムから、MoCDHの反応に必須となる新規電子伝達パートナータンパク質(Mocyt. b)の遺伝子を探索し、MoCDHとの電子伝達反応を調べたところ、イネいもち病菌において、Mocyt. bがMoCDHと電子伝達ネットワークを構築している可能性が示唆された。
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