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2018 年度 実施状況報告書

分子認識と動的共有結合による水酸基の位置選択的な触媒的直接リン酸モノエステル化

研究課題

研究課題/領域番号 17K15420
研究機関東京大学

研究代表者

山次 健三  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (30646807)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードリン酸化 / 水酸基 / 触媒 / ホスホエノールピルビン酸 / ブレンステッド酸
研究実績の概要

リン酸モノエステルは生理活性物質に見られる重要官能基であるため、その効率的合成法の確立は重要である。また、対応する水酸基から物性を劇的に変化させるため、合成後期あるいは最終段階で効率的かつ直接的に無保護のリン酸モノエステルを導入する反応は、物質を新規生理活性物質へと効率的に変換するのに有用である。しかしながら、官能基化された基質に広く適用可能な一般的な方法は存在しない。本研究では、アデノシル三リン酸(ATP)などの生体内リン酸ドナーを認識・活性化する部位と基質分子を動的に認識する部位を併せ持つ分子が、近接効果によって効率的かつ位置選択的に水酸基の無保護リン酸モノエステル化反応を触媒すると仮説を立て、これにより一般性高く適用可能なリン酸モノエステル化法を確立することを目指している。
本年度は、前年度に見出した「ATPよりもホスホエノールピルビン酸(PEP)のほうがリン酸ドナーとして好ましい」という知見をさらに深めていった。その結果、当初の予定とは異なるが、ブレンステッド酸がPEPの活性化に極めて有効であることを見出した。各種ブレンステッド酸を検討し、反応条件の最適化を行ったところ、見出した触媒系は、医薬品などの多官能基性低分子、糖類、無保護ペプチドを含む、非常に広範な基質一般性と高い官能基許容性を持つことを見出した。本成果は、高い官能基許容性を持つ世界で初めての触媒的水酸基リン酸化法であり、有機合成化学・医薬化学・生化学に至るまで多くの分野に貢献可能な極めて有用な手法である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画とは異なる触媒設計指針ではあるが、検討の中で見出した知見をうまく用いることで、当初計画していたよりも官能基許容性が高く、かつ基質一般性も広い新規触媒系を見いだすことができたため。

今後の研究の推進方策

基質一般性のさらなる拡張、メカニズム解析を行う。さらに、明らかにしたメカニズムから、より温和な条件で目的の反応を進行させる触媒系を見出す。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、本研究開始以前に取り揃えた器具・試薬などで十分な実験が出来た。そのため、翌年度は、研究のさらなる進展によって多様な試薬、器具が必要となることが予想されることから、それらの購入に重点的に使用する予定である。また、成果を論文あるいは国際学会等で発表する予定であるため、英文校正費や旅費等に用いる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 触媒的無保護リン酸エステル化反応の開発2018

    • 著者名/発表者名
      土門憲史、山次健三、金井求
    • 学会等名
      第44回反応と合成の進歩シンポジウム

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公開日: 2019-12-27  

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