• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

ジアゾニウム塩の代替としてアゾスルホンを利用する炭素-窒素結合変換プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K15428
研究機関明治薬科大学

研究代表者

伊藤 元気  明治薬科大学, 薬学部, 助教 (30610919)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード合成化学 / 芳香族化合物 / ロジウム(II)触媒 / ナイトレン / 炭素-窒素結合変換
研究実績の概要

今年度はロジウム(II)ナイトレンを用いる芳香族アミン類の変換反応の開発を行い、以下の成果を得た。
(1)様々なパラ置換芳香族第一級アミンを用いてRh2(esp)2を触媒とするスルホニルジアゼン類合成法の開発を行った。ナイトレン前駆体としてかさ高いメシチル基をもつイミノヨージナンTsN=IMesを二当量用いることで最高99%の収率でジアゼンが生成した。オルト置換アニリンに対してはかさの小さいリガンドをもつRh2(HNCOCF3)4を触媒とすることで収率よく生成物が得られた。本手法はロジウムナイトレンを用いる触媒的N-H挿入の最初の例であり、今後N-N結合をもつ様々な化合物合成への展開が期待できる。また、本手法によって得られるジアゼン類は芳香族C-N結合変換の基質として利用でき、芳香族アミン類の変換に従来用いられてきた不安定かつ爆発性を有するジアゾニウム塩の有用な代替化合物となり得ることを示した。
(2)窒素上に二つのかさ高いアルキル基をもつ芳香族第三級アミンに対して、触媒としてRh2(HNCOCF3)4存在下、イミノヨージナンTsN=IPhを用いることで、芳香族C-Hアミノ化が最高92%の収率で進行することを見出した。反応は非常にかさ高いアミノ基のオルト位で効率的に進行し、パラ位に置換基をもたない場合にもパラアミノ化体を副生することはなかった。本手法は様々な官能基をもつ基質でも高化学選択的に進行し、ベンジル位C(sp3)-H結合やアルケンをもつ場合にもC(sp3)-Hアミノ化やアジリジン化は起こらなかった。また、窒素上に光学活性な2-アミノアルコール由来の置換基をもつ基質を用いてC-Hアミノ化を行った後、環化反応を行うことでキノキサリンや1,5-ベンゾジアゼピンといった二つの窒素原子をもつ複素環化合物の合成を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回、芳香族アミン類を用いて初めてのN-H挿入反応や芳香族C-Hアミノ化反応の開発に成功し、これらがロジウムナイトレンとの反応において特異な化学選択性や位置選択性を示すことが明らかとなった。これらの知見を基礎として、今後さらにアミン類の特性に着目した反応開発を推進できると考えている。

今後の研究の推進方策

今後は脂肪族アミンを用いたN-H挿入反応の開発を検討する。また芳香族C-Hアミノ化反応についてオルト選択性の由来を明らかにしていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

若干の残金が生じたが、使用計画には特に影響はない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 1.N-ヒドロキシルアミン類とα-ヒドロキシアルデヒドとのPetasis反応2018

    • 著者名/発表者名
      新垣恵大、豊岡優朗、伊藤元気、樋口和宏、杉山重夫
    • 学会等名
      日本薬学会第138年会
  • [学会発表] ロジウムナイトレンのN-H挿入を機軸とするスルホニルジアゼンの一段階合成法の開発2018

    • 著者名/発表者名
      田中ありさ、伊藤元気、樋口和宏、杉山重夫
    • 学会等名
      第43回反応と合成の進歩シンポジウム
  • [備考] 機能分子化学

    • URL

      https://u-lab.my-pharm.ac.jp/~knbskg/index.html

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi