研究課題
高機能化マイクロチップを用いるバイオ医薬品の超高速分析システムの開発では、既に我々が開発していた微量な試料を高感度に検出できる技術を応用しバイオ医薬品研究や臨床現場で使用するためのマイクロチップ分析システムの開発を目的として実験を行った。本年度は多分岐流路を有するマイクロチップを用い,異なる機能をもつ複数のゲル層を流路上に配し,濃縮,反応,粗分画,特異的抽出の一連の過程を実現するための基礎的研究を実施した。申請者らは,マイクロチップに光重合性アクリルアミドゲル層をピンポイントで合成する化学的な技術を導入し,その可能性を検討してきた.また、抗体医薬品中の糖鎖含量を詳細に調査するなどの実績もある.今回の検討では、まず三次元型のマイクロチップを作製し、その流路が交差する部分にサイズ分画が可能な透析膜を配置することにより透析膜のサイズに応じたタンパク質の特異的濃縮を達成した。この方法は細胞の分画などにも応用することが可能と考えられる。また、解析の全自動化に向けて多分岐流路を有するマイクロチップを作製した。このマイクロチップの有用性を評価するため、すでに報告している糖鎖を特異的に捕捉することが可能なレクチンを含有したアクリルアミドゲルを流路の一部にピンポイントで作製し、ターゲットとなる糖鎖のみの特異的濃縮を試みた。その結果レクチンと親和性を有する糖鎖のみを特異的、かつ高感度に捕捉することが出来た。現在、数種類のレクチンを導入し、さらに特異性を高める研究を行っている。また、開発した方法を組み合わせた自動化に関する研究も遂行している。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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