マイクロチップ電気泳動の多機能化に関する研究は世界中で盛んに行われており,特にここ数年では臨床応用に向けた研究も報告されているが、これらの報告では基盤となるマイクロチップを作製するために非常に高価な装置,あるいは卓越した技術が必要となっている.今回開発した技術は,特定成分の抽出・濃縮・分離・検出など分析に必要な一連の操作をチップ上で行うことができる.これらの開発した方法をさらに発展させることにより,医薬品の開発現場で実施されている糖鎖含量試験のようなルーチン分析の負担軽減や,生体成分の作用解析の迅速化,さらに血中抗体医薬品の詳細な体内動態の解明が可能なデバイスの開発に繋がると考えられる.
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