ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)は,脂質メッセンジャーであるDGとPAの細胞内濃度を調整する脂質代謝酵素である.しかしながら,その生理・病理学的重要性にもかかわらず,未だ構造生物学的理解は乏しい.本研究では,DGKαを昆虫細胞により初めて大量発現させ,活性を保持した試料を高純度・高収率に精製することに成功した.さらにDGKα N末端の活性制御領域であるDGKα EFのCa2+結合型の結晶構造を新規に決定するとともに,Ca2+が結合するとDGKα EFがプロテアーゼ耐性のあるリジッドな構造へと変化することを生化学・物理化学的手法を用いて明らかにした.
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