• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

細菌感染におけるエクソソームの生理機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15449
研究機関金沢大学

研究代表者

吉田 孟史  金沢大学, ナノ生命科学研究所, 特任助教 (60635100)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードエクソソーム / 炎症 / マクロファージ
研究実績の概要

近年、がんや神経変性疾患など様々な疾患において細胞が分泌するナノサイズの小胞エクソソームの役割りが明らかとなりつつある。本研究では、細菌感染におけるエクソソームの機能解明を目的に研究を行った。まず、細菌感染による急性炎症モデルでエクソソーム分泌細胞、受取り細胞、エクソソームの効果、エクソソーム中の機能分子の解析をおこなった。その結果、炎症初期では好中球が大量のエクソソームを分泌し、多くはマクロファージに取込まれ、組織傷害を緩和することを明らかにした。好中球由来エクソソームがマクロファージにどのような作用を及ぼしているのかを明らかにするために、トランスクリプトーム解析を行い、好中球エクソソームがマクロファージでNF-κB経路を活性化することを明らかにした。好中球由来エクソソームで活性化したマクロファージの細菌貪食能、炎症性サイトカイン産生能をin vitroで評価した。その結果、エクソソームが容量依存的にこれらの機能を亢進させることを明らかにした。エクソソーム内包タンパク質の質量分析法による網羅的解析とその機能評価から、エクソソーム中の熱ショックタンパク質の一部にマクロファージを活性化させる効果が認められた。最後に、がんにおける好中球エクソソームの有効性を検証したところ、エクソソームがマクロファージのがん細胞貪食能を亢進し、in vivoでも抗腫瘍効果を示すことを確認した。本研究では、細菌感染により好中球が分泌するエクソソームが、強いマクロファージ活性化能をもつことを明らかにし、細菌感染や腫瘍に対して有効であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Tumor cells discharge anti-tumor drugs via exosomal pathway2018

    • 著者名/発表者名
      吉田孟史, 馬雲飛, Duc Tuan Nguyen, 華山力成
    • 学会等名
      第91回日本生化学会大会
  • [学会発表] Extracellular vesicles released from osteosarcoma alter bone microenvironment2018

    • 著者名/発表者名
      Nguyen Duc Tuan, 相羽久輝, 吉田孟史, 土屋弘行, 華山力成
    • 学会等名
      日本薬学会北陸支部第130回例会
  • [学会発表] Tim4を用いたエクソソームの高純度単離と高感度定量法2018

    • 著者名/発表者名
      馬雲飛, 吉田孟史, Duc Tuan Nguyen, 華山力成
    • 学会等名
      第91回日本生化学会大会
  • [学会発表] Alteration of bone microenvironment by extracellular vesicles released from osteosarcoma2018

    • 著者名/発表者名
      Duc Tuan Nguyen, Hisaki Aiba, Takeshi Yoshida, Hiroyuki Tsuchiya, Rikinari Hanayama
    • 学会等名
      第91回日本生化学会大会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi