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2017 年度 実施状況報告書

オレアノール酸グルコシドをリード化合物とした新規抗メチル水銀薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K15468
研究機関北里大学

研究代表者

中村 亮介  北里大学, 薬学部, 助教 (50383659)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードメチル水銀 / サポニン誘導体
研究実績の概要

我々は、オレアノール酸 (OA) のC3位にグルコースが結合したサポニン誘導体であるOA 3-グルコシド (OA3Glu) を、抗メチル水銀 (MeHg) 活性を持つ化合物として見出している。本研究ではまず、OA3Gluのin vivoにおけるMeHg毒性抑制作用の検証を行った。
以前の検討で、比較的低濃度のMeHg (1.0 mg/kg) を、マウスに投与した際、OA3Gluは種々の臓器における水銀蓄積量を減少させたため、本研究では高濃度 (2.5, 5.0 mg/kg) のMeHgばく露に対するOA3Gluの効果を検討した。週5回、4週間にわたりマウスにOA3Gluを前投与し、その1時間後に2.5, 5.0 mg/kgのMeHgを経口投与したところ、2.5, 5.0 mg/kgどちらのMeHg投与群においても、MeHg投与により生じた運動障害がOA3Gluの前投与により軽減する傾向が認められた。また、5.0 mg/kg MeHg投与群において、OA3Gluの前投与により生存期間の延長が認められた。さらに、投与終了後に脳スライス標本を作製し、興奮性シナプス後電位 (fEPSP) を測定したところ、2.5 mg/kg MeHg投与群において低下していたfEPSPが、OA3Glu前投与によりコントロール群と同程度まで回復した。以上の結果よりOA3Gluはin vivoにおいてMeHgによる神経障害を軽減させる作用を持つことが示唆された。
また、OAに結合する糖の部位(C3位、C28位) や糖の種類 (グルコース、ガラクトース、マンノース、キシロース、フルクトース等) の異なるサポニン誘導体を合成し、これら化合物の抗MeHg活性の評価に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は抗メチル水銀 (MeHg) 作用が認められているオレアノール酸 3-グルコシド (OA3Glu) の、in vivoにおけるMeHg毒性抑制効果の検証尾を進めた。また、OA3Gluをリード化合物とした抗MeHg薬の創薬を目指し、オレアノール酸のサポニン誘導体について抗MeHg活性の評価に着手した。
いずれも概ね計画通りに進行している。

今後の研究の推進方策

平成30年度は、in vivoにおいても抗MeHg作用が認められたOA3Gluに関して、その作用機序の解析を行う。また、新たにオレアノール酸サポニン誘導体に関して抗MeHg活性の評価を進め、活性が認められた化合物に関してin vitro, in vivoにおいてその作用を検証していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] オレアノール酸サポニン誘導体による抗メチル水銀活性の評価 (2018年3月26日)2018

    • 著者名/発表者名
      中村 亮介、高根沢 康一、曽根 有香、浦口 晋平、白畑 辰弥、小林 義典、清野 正子
    • 学会等名
      日本薬学会第138年会

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公開日: 2018-12-17  

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