研究実績の概要 |
[Step 1] BCE 候補遺伝子の探索 Rhodococcus sp. BD7100株におけるBCE候補遺伝子の選抜を目的に、トランスポゾン挿入BBR分解能欠損株のひとつであるTB537株のドラフトゲノムシーケンスを行った。その結果、トランスポゾンがORF6192とORF6193の遺伝子間領域に挿入されていることが明らかになった。さらに、新たにBBR資化性菌として単離したArthrobacter sp. GBD-1株のBBR分解能を解析した結果、BD7100株と類似したBBR分解経路(分解産物としてD-BBRおよびseco-D-BBRを検出)を有している可能性が示唆された。そこで、ドラフトゲノム情報から特定したBBR脱メチレン遺伝子brdA(ORF4430)の近傍に存在し、BD7100株のbrdAの近傍に存在する遺伝子と相同性を示す遺伝子の破壊株を作製した。各破壊株の休止菌体を用いてseco-D-BBR産生能を評価した結果、ORF4420破壊株においてseco-D-BBRの生産能が消失していた。以上の結果からBD7100株由来遺伝子ORF6191,6192およびGBD-1株由来ORF4420をBCE候補遺伝子とした。 [Step 2] BCE 遺伝子の特定 Step 1で選抜した候補遺伝子のBBR骨格開裂反応への関与を検証するために、各遺伝子をRhodococcus sp.発現用ベクターpTip-QC1にbrdAと共に導入したベクターを作製した。これらをRhodococcus sp. PR4株にそれぞれ導入し、得られた形質転換体の休止菌体のBBR分解能を検証した。その結果、形質転換体の休止菌体によるD-BBRへの変換は確認できたが、seco-D-BBRの産生は確認できなかった。そのため、現段階ではBCEの特定には至っていない。
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