抗がん剤をはじめとする異物を認識し、グルタチオンを付加する活性をもつグルタチオン S-トランスフェラーゼ(GST)はがん細胞における抗がん剤耐性にかかわっている。そのため、GSTの阻害はがん治療において重要である。しかし、GSTの基質であるグルタチオンの細胞濃度は高いため、拮抗阻害剤では十分な阻害はできなかった。そこでGSTと共有結合を形成し、効率的に阻害する化合物としてGS-ESFおよびCNBSFを新たに開発した。CNBSFはGS-ESFと同様に不可逆阻害能を示し、また細胞内におけるGSTの阻害も確認された。
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