研究課題
若手研究(B)
本研究ではAPサイト修復阻害に基づく新規抗がん剤および抗がん効果増強剤の開発を行った。本研究期間を通じてチオグアニンリガンドの設計と合成を行い、その化学的性質を明らかにした。また、APサイトを有する短鎖人工核酸を用いてチオグアニンリガンドによるAPサイト部位特異的切断能を評価し、リガンドがAPサイト認識後、部位特異的に切断し、かつ共有結合を形成する事を明らかにした。
有機化学
本研究を通して開発したチオグアニンリガンドは、代表的なDNA損傷の一つであるAPサイトを特異的に認識し、APサイト部位での切断を促進する。更には、APサイトの切断産物と共有結合を形成する事で、APサイト修復を阻害すると期待される。本リガンドはAPサイト修復阻害に基づく新規抗がん剤および既存抗がん剤との併用による抗がん効果増強剤として有用なツールとなりうる。