研究課題
候補化合物のリンカーのメチレン数nの検討を行い、n = 7の場合に最も高い生物活性を示すことが分かった。また、リンカーとボロン酸部位を架橋するアミド構造をウレアとしたが、生物活性の向上は認められなかった。次に、C2対称性ボロン酸ピナコールエステルのリンカーをベンゼンやシクロヘキサンとしたC3対称性ボロン酸ピナコールエステルにおいて、中程度の生物活性が得られた。末端のボロン酸ピナコールエステル部分を遊離のボロン酸とすると、抗菌活性、抗HSV-1活性を示さない一方で、細胞毒性を示した。次に、高活性なC2対称性分子とmethyl [a]-D-glucopyranosideを用いたNMR実験を行った。C2対称性ボロン酸ピナコールエステルにおいてはエステル交換反応の確認はできなかったが、C2対称性ボロン酸においてはケミカルシフトの変化が確認され、糖類との親和性が確認された。続いてC2対称性分子とmethyl [a]-D-glucopyranosideが反応する際に発する熱量測定を試みたが、現在までには有意な結果は得られておらず、現在検討中である。メタ置換対称性ボロン酸のVero細胞に対する細胞毒性評価を行い、リンカーのメチレン数n = 7の場合に最も高い毒性を示すことが分かった為、対称性ボロン酸のヒト脳腫瘍細胞、ヒト頭頸部癌細胞に対する抗腫瘍活性評価を行い、リンカーのメチレン数n = 8の場合に最も高い活性を示すことが分かった。また、ヒト脳腫瘍細胞に対してはコントロールとして用いたシスプラチンよりも低い生物活性を示した一方、ヒト頭頸部癌細胞に対してはシスプラチンよりも高い生物活性を示した。現在、更なる構造活性相関研究を行っている。
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Biol. Pharm. Bull.
巻: in press ページ: in press
Heterocycles
巻: 96 ページ: 144-151
10.3987/COM-17-13832
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