高尿酸血症はメタボリックシンドロームをはじめ,様々な慢性炎症性疾患と併発することで病態の悪循環を引き起こすと考えられている.本検討で尿酸により内在化することが示されたABCG2は尿酸以外にも慢性腎臓病時に増加する尿毒症物質などの生理化合物や抗がん剤等の薬物を基質とすることから,高尿酸血症時のABCG2の内在化が他の病態進展や薬物動態変動に寄与している可能性が考えられる. 今後,ABCG2におけるどのような翻訳後修飾が局在を変化させるかを明らかにし,その修飾を調節する薬物を見出すことで,高尿酸血症に併発する疾患の増悪を抑制に繋がると期待される.
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