2019 年度研究成果報告書

セリンプロテアーゼを介した酸化ストレス制御を標的としたCKD新規治療戦略の構築

研究課題

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研究課題/領域番号	17K15509
研究種目	若手研究(B)
配分区分	基金
研究分野	医療系薬学
研究機関	熊本大学
研究代表者	成田勇樹熊本大学, 病院, 助教 (40614665)
研究期間 (年度)	2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード	セリンプロテアーゼ / 酸化ストレス / 腎障害
研究成果の概要	我が国では、慢性腎臓病 (CKD) の進展阻止による医療費の抑制が医療課題となっている。本研究では、腎障害進展の一因として注目されている酸化ストレス亢進へのセリンプロテアーゼの関与について検討した。その結果、動物実験では、セリンプロテアーゼの関与は明らかにならなかったものの、培養細胞および in vitro 実験からセリンプロテアーゼを介し酸化ストレスが制御されている可能性が示され、その一つにFXa-PAR2 経路が関与していることが示唆された。本研究で得られた成果は、腎障害進展におけるセリンプロテアーゼの機能解明とCKD 治療における新規治療戦略の構築に向けた基盤情報になると考えられる。
自由記述の分野	医療薬学
研究成果の学術的意義や社会的意義	本研究は、セリンプロテアーゼを介し酸化ストレスが制御されている可能性を示した研究である。酸化ストレスは、腎障害進展機序の一因として以前から注目されており、抗酸化薬の腎疾患治療への応用が期待されている。本研究により、腎疾患における病態形成の共通基盤となる酸化ストレスに対するセリンプロテアーゼの関与が明らかとなり、CKD を含めた種々の腎疾患の病態解明や既存のセリンプロテアーゼ阻害薬を治療薬として応用するための基盤情報になると考えられる。新規治療薬が強く切望されているCKD に対し新たな治療戦略を提示することで、CKD の進展阻止による医療費の抑制に繋がる可能性がある。