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2017 年度 実施状況報告書

アルブミンの質的変動を基盤とした抗MRSA薬TDMへの展開

研究課題

研究課題/領域番号 17K15512
研究機関大分大学

研究代表者

田中 遼大  大分大学, 医学部, 薬剤主任 (30781736)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードアルブミン / 質的変動 / タンパク結合率 / 抗MRSA薬
研究実績の概要

本研究では抗MRSA薬のうち、血中タンパク結合率の大きいテイコプラニン(TEIC)およびダプトマイシン(DAP)に焦点を置き、アルブミンの質的変動が薬物の遊離型分率に与える影響と病態の進行度との関連性を明らかにすることを目的としている。平成29年度の研究実績は以下のとおりである。
1.UPLC-MS/MSを用いた総・遊離型DAPの高感度同時定量法の確立:96 well MCX μElution plateとUPLC-MS/MSを用いた高感度かつ迅速な総・遊離型濃度の測定法を開発した。また、本測定系はDAPの最高血中濃度とトラフ値も測定可能な過去の報告と比較しても最も検量線範囲が広い特徴を有しており、生体試料中薬物濃度分析に関するFDAガイダンスのバリデーション基準をクリアしている(総濃度:検量線範囲 [0.5-200 μg/mL]、日内変動再現性 [CV<4.4%]、日内変動正確性 [96.3%-112.8%]、日間変動再現性 [CV<7.2%]、正確性 [99.2-104.7%]、回収率 [>57.1%]、Matrix effect [111.9-118.7%]、遊離型濃度:検量線範囲 [0.04-40 μg/mL]、日内変動再現性 [CV<6.4%]、日内変動正確性 [97.6%-110%]、日間変動再現性 [CV<8.0%]、正確性 [101.9-108.4%]、回収率 [>54.6%]、Matrix effect [104.0-127.1%])。また、本測定系を用いて算出したDAPのタンパク結合率は97.5-97.9%であり、濃度非依存的に概ね一定であった。
2.アルブミンの翻訳後修飾に伴うDAPのタンパク結合率の変動評価:in vitroにおいて、アルブミン溶液を過酸化水素またはグルコースを用いて酸化または糖化させる条件検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

TEICの遊離型濃度まで測定可能な系がまだ完全には確立していないため。また、DAPの測定に関しての患者エントリーの進捗状況が芳しくないため。

今後の研究の推進方策

TEICの総・遊離型濃度の測定系の確立を目指す。また、TEICの患者エントリーを開始する。DAPの患者エントリーについては当初はICUとの共同研究としてスタートしたが、対象の診療科を一般病棟まで拡大することでエントリー患者を増やす予定である。

次年度使用額が生じた理由

DAP、TEICともに患者エントリーが当初の予定より遅れたため、次年度使用額が生じた。
次年度の使用計画としては、UPLC用カラム、HPLC用カラム、各種標品、各種内標準物質標品、限外濾過膜等を購入する。また、平成29年度の成果について、論文投稿費および学会発表する際の旅費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] UPLC-MS/MSを用いた総・遊離型ダプトマイシンの高感度同時定量法の確立2018

    • 著者名/発表者名
      田中 遼大
    • 学会等名
      第35回日本TDM学会・学術大会

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公開日: 2018-12-17  

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