本研究は世界的に患者数が増加し続けている炎症性腸疾患に対して有効かつ安全性の高い治療法の戦略的創出を目指すものである.現在,炎症性腸疾患治療に対する薬剤の貢献度および治療満足度はいまだ低く,高い有効性と安全性を兼ね備えた新たな治療法の開発が望まれている.本課題では抗炎症薬をモデル薬剤とし,新たな経口投与製剤を作製した.調製した製剤は薬剤原末と比較し,良好な経口吸収性を示すとともに,より低用量で大腸炎症モデルラットにおける大腸での炎症反応を抑制した.さらに用いた抗炎症薬で高頻度に発現する副作用の発現を低減しうることを示唆した.本研究が効果的な炎症性腸疾患治療法の創出に貢献することを期待する.
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