• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

重症薬疹の発生リスク回避を目指した革新的HLAタイピング法に基づく診断薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K15517
研究機関日本薬科大学

研究代表者

長部 誠  日本薬科大学, 薬学部, 講師 (40700985)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードHLA / タイピング / 遺伝子多型 / 皮膚障害
研究実績の概要

近年、特定のHLA(ヒト白血球抗原)タイプが医薬品による特異体質性副作用の発症と強く関連することが明らかにされてきている。我々はこれまでに、抗がん剤モガムリズマブを投与した成人T 細胞白血病患者のうち、特定のHLA タイプを有すると重篤な皮膚障害を発症する頻度が高くなることを世界で初めて見出した。そこで本研究では、臨床現場で利用可能でかつ高精度のHLA タイピング法を開発し、副作用回避のためのHLA 事前診断への応用を目的とする。
昨年度は、両親由来染色体の分離手法と各HLA 遺伝子の特異的な増幅方法の検討を行ったが、本年度はモガムリズマブの副作用回避のためのバイオマーカーとなるHLAアレルを判別する検出系の構築を行った。類似のHLAアレルとバイオマーカーとなるHLAアレルを判別するためには、3か所の一塩基変異を判別する必要があることが明らかとなった。3か所の一塩基変異のうち両端の変異は、プライマー3'末端の一塩基ミスマッチを感知するDNAポリメラーゼを使用することで、PCRによる増幅の有無により変異を判別することが可能だった。増幅されたPCR産物に含まれる中央の一塩基変異を検出するために、ddNTPを用いてプライマー1塩基伸長反応行い、その伸長された塩基を判定するためにプライマーに相補的な一本鎖DNAを結合させた金ナノ粒子を加え、金ナノ粒子の凝集によっておきる色調の変化を指標に一塩基変異の判定を試みた。形成された二本鎖DNAの末端が相補的な場合とミスマッチの場合で金ナノ粒子の凝集による色調の変化が認められ、末端塩基の情報が得られた。現在、最適な反応条件の検討を行っている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Allopurinol suppresses expression of the regulatory T-cell migration factors TARC/CCL17 and MDC/CCL22 in HaCaT keratinocytes via restriction of nuclear factor-κB activation2018

    • 著者名/発表者名
      Osabe Makoto、Tajika Toshiyuki、Tohkin Masahiro
    • 雑誌名

      Journal of Applied Toxicology

      巻: 38 ページ: 274~283

    • DOI

      10.1002/jat.3522

    • 査読あり
  • [学会発表] HLA-B*58:01を介したオキシプリノールによる特異体質性副作用in vitro評価系の構築2019

    • 著者名/発表者名
      槇野隆太,長部誠,頭金正博
    • 学会等名
      第1回医薬品毒性機序研究会,1月(名古屋)
  • [学会発表] LapatinibによるT細胞分化誘導機構の解析2019

    • 著者名/発表者名
      宮路康平,岡本秀人,槇野隆太,長部誠,頭金正博
    • 学会等名
      第1回医薬品毒性機序研究会,1月(名古屋)
  • [学会発表] The effect of lapatinib on lymphocyte activation and transcription factors in T cell differentiation2018

    • 著者名/発表者名
      Makino R., Okamoto H., Osabe M., Tohkin M.
    • 学会等名
      18th World Congress of Basic and Clinical Pharmacology, July (Kyoto)
    • 国際学会
  • [学会発表] CLC Genomics Workbenchを用いたHLAタイピング法と他のタイピングソフトとの比較2018

    • 著者名/発表者名
      中嶋琢人,亀位涼,坂部彩,岡本秀人,長部誠,頭金正博
    • 学会等名
      第4回次世代を担う若手のためのレギュラトリーサイエンスフォーラム,9月(東京)

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi