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2017 年度 実施状況報告書

塩基性薬物輸送を担う血液脳関門オーファントランスポーターの機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15521
研究機関帝京大学

研究代表者

樋口 慧  帝京大学, 薬学部, 助教 (10625304)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード血液脳関門 / 塩基性薬物 / オーファントランスポーター
研究実績の概要

本研究では、血液脳関門(BBB)におけるオーファントランスポーターSLC12A9およびSLC45A4の輸送機能を解明し、塩基性薬物の脳移行性に与える影響について明らかにすることを目的とした。まずヒトBBBモデル細胞であるhCMEC/D3細胞におけるSLC12A9およびSLC45A4発現のmRNA発現を確認した。その後、両トランスポーター遺伝子ノックダウンがが薬物取り込みに与える影響をsiRNAを用いて検討した。その結果、SLC45A4ノックダウンをした細胞では、塩基性薬物取り込みが一部減少することを新たに見出した。一方でSLC12A9ノックダウンでは塩基性薬物取り込みが増加した。このことから、両オーファントランスポーターがヒトBBBモデル細胞における塩基性薬物取り込みに何らかの影響を与えうることを示した重要な知見であると考えられる。次に各トランスポーター強制発現させたHEK293細を用いて、直接的薬物取り込み能を評価したが、mock細胞の取り込みとの差は観察されなかった。そこでホスト細胞での内在性トランスポーターをノックアウトした実験系の構築を目指して、hCMEC/D3細胞にCRISPER-Cas9システムによるトランスポーターノックアウト細胞の調製を行うこととした。現在までにhCMEC/D3細胞におけるCRIPSER-Cas9システムの適応条件をABCB1遺伝子を用いて検討を行い、当該システムがhCMEC/D3細胞に適応し、トランスポーターノックアウトが可能であることを確認した。また調製したABCB1ノックアウトBBBモデル細胞は、ABCB1の基質になるような塩基性薬物のBBB輸送の精緻な評価が可能であることを見出している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

強制発現系での輸送能が検出できなかったため、計画通りノックアウト細胞調製を行っているため、事前計画よりやや遅れが出ている。

今後の研究の推進方策

SLC45A4およびSLC12A9ノックアウト細胞の調製を行い、外来性に遺伝子を導入し、リカバリーを見ることにより塩基性薬物輸送能への両トランスポーターの寄与を明らかにする予定である。ノックアウト調製のホスト細胞として、hCMEC/D3細胞とABCB1ノックアウト細胞を予定している。その後事前計画に従い、SLC12A9およびSLC45A4のBBBにおけるタンパク質発現について、脳組織およびBBBモデル細胞における極性局在について解析する。これによりBBBにおけるSLC12A9およびSLC45A4の局在性を明らかにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] CRISPR-Cas9システムを用いたヒト血液脳関門細胞の2017

    • 著者名/発表者名
      樋口 慧、手賀悠真、黒澤俊樹、濱弘太郎、横山和明、出口芳春
    • 学会等名
      第39回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム

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公開日: 2018-12-17  

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