初年度は、角栓中のマイクロバイオームを次世代シーケンサーおよび微生物ゲノム情報をフル活用して網羅的に解析した。まずは健常人から101の角栓を採取し、検体から直接DNAを抽出後、Illumina MiSeqを用いてアンプリコンシーケンスを行った。細菌は16S rRNAのV1-V3領域を、真菌は26S rRNAのD1/D2領域を解析対象とした。真菌はいずれの検体でもMalasseziaが優位であり、特にM. restrictaが最も優位菌種で、M. globosaがこれに続いた。検体の中にはCandida albicansが存在している場合もあった。細菌はPropionibacterium acnesが最も優位であり、次いでBifidobacterium breveが優位であった。主成分分析を行うと真菌優位型と細菌優位型に有意に大別できた。また、Shannon解析により細菌型の方が真菌型より多様化していることも明らかになった。さらに、真菌と細菌の局在をcalcofluor whiteとPIで蛍光染色したところ、真菌は外側に細菌は両側に存在することもわかった。これは、酸素分圧に起因していると考えられる。以上、本年度はドメインをこえた優位菌種を同定することができた。
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