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2018 年度 実施状況報告書

薬物放出量を決定するインテリジェント製剤の開発:UGT1A1に着眼した戦略

研究課題

研究課題/領域番号 17K15526
研究機関横浜薬科大学

研究代表者

礒部 隆史  横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (30440530)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードアルギン酸 / UGT1A1 / ビリルビン
研究実績の概要

薬物代謝酵素の発現状態に基づいた投与量の調節が、副作用の軽減に有効です。しかしながら、併用薬が多い患者では代謝酵素の誘導及び阻害により発現量の予測が困難なため、発現状態を認識して投与量を調節するインテリジェント製剤の開発が期待されています。本研究では、腸内のビリルビン濃度から肝臓における薬物代謝酵素(UDP-グルクロン酸転移酵素1A1、UGT1A1)活性を把握して薬物放出量をコントロールする経口投与製剤を開発することを目指しております。
本年度は、UGT1A1で代謝されることが知られているラロキシフェンを用いて、アルギン酸ゲルビーズの調製条件が、薬物放出挙動とビリルビン濃度との関係にどのような影響を及ぼすか検討しました。その結果、脂溶性薬物であるラロキシフェンをモデル薬物として使用した場合、ゲル化に用いた塩化カルシウム水溶液の濃度が0.05 ~ 0.1 M の範囲では、ビリルビン存在下での薬物放出量の増加がみられ、塩化カルシウム水溶液の濃度を0.5 M まで高めると逆に薬物放出量の低下が認められました。また、用いたアルギン酸の分子量が大きいほど、ビリルビン存在下での薬物放出量が増加し始める時間は遅くなる傾向にありました。さらに、調製時のゲル化時間の違いがビリルビン存在下での薬物放出挙動へ影響を与えることも明らかとなりました。これらの結果から、ビリルビンの有無によって増減するアルギン酸ゲルビーズからの薬物放出量は、使用するアルギン酸の種類やゲルビーズの調製方法によりコントロールできる可能性が示唆されました。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、生体内を模倣した反応系において、アルギン酸ゲルビーズのビリルビン存在下での薬物放出挙動に対して調製条件が及ぼす影響を検討し、順調に結果が得られております。従って、研究計画の通りおおむね順調に進展していると考えております。

今後の研究の推進方策

今後は、肝臓のUGT1A1活性に依存した薬物放出を可能とする目的で、遺伝子多型患者を想定した反応系におけるアルギン酸ゲルビーズの薬物放出制御能を解析します。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Regioselective glucuronidation of daidzein in liver and intestinal microsomes of humans, monkeys, rats, and mice2018

    • 著者名/発表者名
      Hanioka N., Ohkawara S., Isobe T., Ochi S., Tanaka-Kagawa T., Jinno H.
    • 雑誌名

      Archives of Toxicology

      巻: 92 ページ: 2809-2817

    • DOI

      10.1007/s00204-018-2265-1

    • 査読あり
  • [学会発表] ビリルビン濃度で薬物放出量が変化するアルギン酸ゲルビーズの調製条件に関する検討2019

    • 著者名/発表者名
      礒部 隆史、片岡 祐太、村上 雄大、加藤 輝隆、越智 定幸、埴岡 伸光
    • 学会等名
      日本薬学会第139年会

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公開日: 2019-12-27  

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