本研究は、自然免疫系の機能低下をもたらす新奇薬物相互作用を起こしうる医薬品の同定とその分子機構の解明を行うことを目的した。これまでの研究により、TLR4を介したシグナル伝達経路と相互作用する薬物として、アントラサイクリン系薬剤であるドキソルビシンやミトキサントロン、生薬成分のセラストロールが、マクロファージに細胞死(アポトーシス)を誘導することを明らかにした。また、アポトーシス阻害剤のzVAD-fmkやBocD-fmkは炎症誘導性細胞死であるネクロプトーシスを誘導することも明らかにした。現在、生体内における、これらの薬物及び化合物が及ぼす相互作用の影響を解析しているところである。
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