脂肪酸の摂取は脳の発達に非常に重要であり、その摂取障害は精神疾患を引き起こす。しかし、その脳内分子基盤については不明である。本研究では、脳アストロサイトに強く発現し、その細胞内脂質動態を制御する脂肪酸結合蛋白質 FABP7に着目し、その機能発現メカニズムの解明を試みた。 明らかになった主な点は、1) FABP7は脂肪酸と結合することで核内アセチルCoA生成に重要な酵素と相互作用を持ち、その活性を制御すること、2)FABP7に制御される核内アセチルCoAの量に依存して、エピゲノム変化が生じること、3)脂質ラフトの骨格蛋白質caveolin-1の発現がエピジェネティックに制御されていること、である。
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