網膜変性を引き起こすメカニズムの一つとして光によるダメージが知られている。光の長期曝露によって代謝老廃物や細胞ストレスの蓄積が徐々に進み、視細胞や網膜色素上皮の機能低下や細胞死などが引き起こされ、加齢黄斑変性や網膜色素変性症を含む視覚障害の発症や増悪につながることが報告されている。それゆえ光によるダメージを減弱することは網膜保護や変性進行抑制の観点から重要である。明順応による光受容感度の低下は視細胞の光によるダメージを軽減する役割を持つことが知られており、本研究の成果により得られた知見は直接、網膜保護へ向けた新しい創薬ターゲットになる可能性を秘めていると考えられる。
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