研究課題
本研究課題では3次元光ー電子相関顕微鏡法(3D-CLEM)の手法を確立すること、その応用としてオートファジーに関連する構造体の解析を行うことを目的と している。今年度は、前年度中に確立したFIB/SEMと共焦点レーザー顕微鏡像の相関法を用いて、オートファジー関連構造の解析を行った。 正常MEF細胞(WT)とオートファジー関連遺伝子を欠損したMEF細胞(ATG7KO, ATG9AKO)を用いた。オートファジー形成部位のマーカーとしてGFP-p62を用い、その周囲の構造を3D-CLEMにより解析した。WT MEF細胞ではp62の凝集体の周囲にオートファゴソーム、および隔離膜構造が見られた。ATG7KO細胞ではオートファゴソームの形成が阻害された結果、隔離膜が集積しているのが見られ既報と一致した。ATG9AKO細胞ではオートファジーがより初期に阻害されているとされているが、今回の観察では一部に隔離膜の形成が見られた。ただしWTやATG7KO細胞に比べると数が少なく、膜の形状も断続的であった。また周囲に隔離膜の形成が見られないp62凝集構造では周囲に粗面小胞体が隣接する様子が多く見られた。これは膜形成におけるATG9Aの機能を示唆するとともに、ATG9Aが欠損していても隔離膜の形成能は一部残存することを示している。本年度中に本研究課題の技術を利用した研究を行い、3次元解析電子顕微鏡・集束イオンビーム走査電子顕微鏡(FIB/SEM)を用いた研究を進め3本の論文として発表した(Sou et al. 2019, Araki et al. 2020, Miyaki et al. 2020)。またオートファジーに関連する論文を2本発表している(Ogawa et al. 2020, Suzuki et al.2020)。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 備考 (2件)
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