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2018 年度 実績報告書

乳腺分泌細胞で機能する非選択的陽イオンチャネルの同定とその生理的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15552
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

上川 昭博  帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (30581665)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード乳腺 / 分泌細胞 / TRPファミリー / 非選択的陽イオンチャネル / TMEM16A
研究実績の概要

乳汁分泌には、乳腺分泌細胞(MSC)管腔膜上の非選択的陽イオンチャネル(NSCC)を介した経上皮電解質輸送が重要な役割を果たすと仮説を立て、NSCCの機能的発現とそれを担う分子を明らかにすることを目的として研究を行なった。泌乳期マウスから単離したMSCを用いて電気生理学的解析を行うと、Cs, Na, K, Rbなど複数の一価陽イオンの透過性が認められ、イオン選択性の低い陽イオンチャネルの機能的発現が示唆された。この膜電流は細胞外二価陽イオンや細胞内Mgにより弱く抑制された。NSCCを構成することが知られているTRPファミリー分子の泌乳期マウス乳腺組織での遺伝子発現について検討したところ、解析した25種の分子のうちTRPV2,4、TRPM4,7、TRPP2の明瞭な発現を認めた。TRPV4は近年、各種分泌上皮細胞で電解質液分泌における役割が報告されている。そこでMSCを含む細胞小集団をTRPV4の選択的アゴニストで刺激したが、MSCにTRPV4活性の存在を示す細胞内Ca濃度上昇は認められなかった。一方で、MSC以外の細胞でTRPV4活性を検出した。未分化乳腺上皮細胞などでTRPV4が機能している可能性があり興味深い。
これまでに私たちはMSC管腔側においてTMEM16A(Ca活性化Clチャネル)が機能している可能性を示している。今回、マウス乳腺において、タンパク質N端構造の変異を伴う新しいTMEM16AmRNAバリアントを発見し、報告した。TMEM16AはTRPファミリー分子と機能的、物理的に相互作用することが報告されていることから、乳腺におけるNSCCの機能を理解する上で重要な知見である。
以上の様にMSCにおけるNSCCの機能的発現を示した。しかし、それを担う分子基盤や乳汁分泌における役割に関しては、いくつかの興味深い手がかりは得たものの未だ不明である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Tissue-specific variation in 5?-terminal exons of mouse Anoctamin 1 transcript induces N-terminal variation of its protein via alternative translational start sites2018

    • 著者名/発表者名
      Kamikawa Akihiro、Sakazaki Junpei、Ichii Osamu
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 503 ページ: 1710~1715

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2018.07.103

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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