研究課題/領域番号 |
17K15559
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
森田 知佳 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70763796)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 脳血管攣縮 / クモ膜下出血 / スフィンゴシルホスホリルコリン / SPC / Fyn / Rhoキナーゼ / 血管平滑筋 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、『野生型および2種類の遺伝子改変マウスの脳底動脈とくも膜下出血(SAH)モデルを用いて、組織・生体レベルでsphingosylphosphorylcholine(SPC)/Fyn/新規分子X/Rhoキナーゼ経路がSAH後の遅発性脳血管攣縮の治療標的分子である可能性について検討すること』である。 平成31年度は、①組織レベルでの検証のために遺伝子組み換えマウス(Fyn KO、新規分子X CKO)の脳底動脈を用いた等尺性収縮張力実験、②生体レベルでの検証のためにSAHモデル作製・確立を行う予定だったが、①についてはKOマウスの獲得数不足*、②については故障した脳血流計の導入遅延などのため、実験を十分に行うことができなかった。
*KOマウスの獲得数不足について Fyn KOマウスの獲得のために、4-10月までの6か月で交配により得られた217匹のマウスをジェノタイピングした結果、KOマウスは24匹しか獲得できず、さらに成長不良・明らかな水頭症などのために死亡し最終的には15匹までに減少した。さらに生存したマウスの中の一部には、軽度な水頭症が原因と思われる行動異常や明らかな腹部膨満が見られ、観察上正常と判断されるマウスは12匹程度だった。最終的には平成31年度では285匹のマウスをジェノタイピングした。新規分子X CKOマウスはオスのみが実験に使用できるが、オスのマウスの獲得数不足とTamoxifen(200mg/㎏)投与による死亡が多く新規分子X CKOマウス獲得数が少なかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
①遺伝子組み換えマウス(Fyn KO、新規分子X CKO)の獲得数が不足したため:Fyn KOマウスの獲得のために4-10月までの6か月で交配により得られた217匹のマウスをジェノタイピングし24匹しか獲得できず、さらにヒネ、明らかな水頭症などのために成長過程で死亡し15匹程度に減少した。さらに生存したマウスの中の一部には、軽度な水頭症が原因と思われる行動異常や明らかな腹部膨満が見られ、観察上正常と判断されるマウスは12匹程度だった。新規分子X CKOマウスはオスのみが実験に使用できるが、オスのマウスの獲得数不足とTamoxifen投与による死亡が原因のため。 ②故障した脳血流計の新型導入遅延:生体レベルでの検証のためにSAHモデル作製・確立を行う予定でプロトコールの作成はほぼ完成したが、その条件検討のために必須である脳血流計が故障していた。新型導入に際して、本講座と共同研究している企業からの寄付により賄うかどうかについてやり取りが長期化(3カ月)、さらに発注後納品に2か月かかったことにより、新型導入が著しく遅延したため。 ③その他:比較的責任のあるイレギュラーな業務が発生したこと、研究代表者の病気(癌)が明らかになり検査・手術・療養に時間を要したこと(2-3カ月)。
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今後の研究の推進方策 |
①遺伝子組み換えマウス(Fyn KO)は、さらに繁殖を行い、KOマウスの獲得数向上に努め、本マウスの脳底動脈を用いた等尺性収縮張力実験を行う。新規分子X CKOマウスについても獲得数を増やし、同様に実験を行う。 ②導入された脳血流計を用いて、野生型マウスを用いたSAHモデルについて脳血管攣縮が観察されるかの検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由:KOマウス獲得数不足により実験そのものが停滞したため。また研究代表者の病気、新型コロナウイルス拡大に伴う学会の中止により旅費が浮いたため。新型の脳血流計導入が寄附により賄われたため。 使用計画:遺伝子組み換えマウスを用いた実験として等尺性収縮張力の測定およびくも膜下出血モデル作成にあたり必要な消耗品(ジェノタイピング試薬、手術関連試薬、一般試薬・抗体、免疫組織化学用試薬類)や動物実験施設利用料として80万円ほど、残りは国内旅費(学会参加費用)として使用する予定である。
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