電位作動性カリウムチャネルであるhERGチャネルのC末端細胞内領域には、異なるドメイン間で形成される静電相互作用が存在し、これを打ち消す変異の導入は、その特徴的な遅い脱活性化を著しく加速させる。本研究では、この構造機能連関を解明すべく解析を行い、この静電相互作用が、4量体の各サブユニット内で形成されること、また、遅い脱活性化の維持には全サブユニットで形成される必要があることを見出した。さらに、この静電相互作用の消失は、脱活性化の制御機構において中心的な役割をもつN末端-C末端ドメイン間相互作用を有意に減弱させることを突き止め、これが脱活性化の加速の原因であることを明らかにした。
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