研究成果の概要 |
睡眠時の脳は、知覚体験を記憶として定着(固定化)させる。最近、我々はノンレム睡眠時のトップダウン回路が触知覚の記憶固定化に関与することを突き止めた(Miyamoto et al., Science, 2016)。本研究では、先行研究を基盤とし、触知覚記憶の固定化に関わる皮質トップダウン投射活動、この受け手である皮質5層神経細胞の樹状突起活動、スパイン活動を操作・記録し、これとマウスの記憶行動との因果関係を明らかにした。これにより「ノンレム睡眠時のトップダウン入力が錐体細胞の樹状突起スパイクを発生させ、スパインの形成や刈込が行われて、最終的に知覚記憶が固定化される」という結論を得た。
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