本研究では、加齢性肥満発症の原因の一つとして考えられる代謝量低下のメカニズムを、視床下部におけるメラノコルチン4型受容体(MC4R)に着目して解析した。In vivo生理実験の結果、皮膚冷却に対する褐色脂肪の熱産生量が加齢と共に減少することを明らかにした。褐色脂肪の熱産生を制御する視床下部背内側部にはMC4Rが発現している。MC4Rのアゴニスト投与時の褐色脂肪熱産生量を解析すると、アゴニストに対する応答性が加齢と共に低下することが分かった。免疫染色の結果、加齢と共にMC4Rの局在が変化しており、それによりメラノコルチンに対する応答性が変化し、代謝量が減少する可能性が示された。
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