ヒト不全心筋では、ユビキチン化タンパク質の過剰な蓄積が認められ、心不全病態増悪の一因と考えられる。今回、心不全モデルマウスの心臓において、ユビキチンリガーゼであるvon Hippel-Lindau(VHL)の発現量が野生型マウスと比較して増加しており、また、VHLと心筋小胞体カルシウムポンプ(SERCA2a)の制御因子であるホスホランバン(PLN)の結合が顕著に増加していた。さらに、PLN発現HEK293細胞のVHL遺伝子をノックダウンしたところ、正常および酸化ストレス環境下において、PLNの発現量は増加した。以上より、VHLを標的とした新たな心不全治療戦略を構築できる可能性を示した。
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