脳の中央部分にある脳室内では、常に脳脊髄液が産生され、一つの出口から流出している。脳室表面は運動性の多繊毛に覆われており、オールを漕ぐように、脳室の出口方向へ向かって波打ち運動している。脳室表面の運動性多繊毛の協調的な波打ち運動が、脳脊髄液の流れを促している。 脳室表面の運動性多繊毛が脳室出口方向へ波打つためには、繊毛の根元の突起が出口方向へ向く必要があり、繊毛細胞の表層部では平面軸に沿った細胞骨格微小管の非対称な配向(平面内極性化)が繊毛の根本の方向性を決めていた。本研究では、細胞骨格である微小管が平面軸に沿った非対称な配向をする分子機構を解明した。
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